ジャンル紹介

縦走

これぞ登山の王道。山に拓かれた一筋の路を辿り、ピークとピークを結ぶ誇り高き行為。それを我らは縦走と呼びます。一口に縦走といってもその形態は様々。高山植物の咲き乱れる稜線上を行く空中散歩や、夏でも涼しい樹林帯歩き、鎖をつたって進む厳つい岩場など、様々な角度からあなたを魅了することでしょう。山登りって体力がないとできないのでは…と悩む必要はありません。体力に自信がない人も山を楽しめるようにステップアップを図るほか、秋にはのんびり楽しめる、ゆるいプランをたくさん用意しています。

また登山の楽しみは登ることだけではありません。早朝に出発し山頂で日の出を見るも良し、テントから出て午後 の陽を浴びながら昼寝するも良し、山小屋で夕日を眺めながらコーヒーを飲むも良し。夜には同じ釜の飯を食い、寝 袋にくるまりながら仲間と語らう時間は、テント山行の醍醐味といえます。都会の喧騒を離れ、自然の中で仲間と共 に優雅な一時を過ごそうではありませんか。

そして何より部員が口を揃えて語るのは、山が見せてくれる美しい風景。頂上に立った時、どこまでも続く空と眼下にひろがる雄大な景色が疲れた体を癒してくれます。下山後の楽しみは温泉!またその後食べるご飯のおいしいこと……!! ワンゲルでは毎週末にプランが出ており、東京都の奥多摩や神奈川県の丹沢などの近場はもちろん、南北アルプスや八ヶ岳、静岡や上信越、長期休みには北は北海道、南は屋久島と日本全国どこにでも行きます。あなたにぴったりの山がきっと見つかることでしょう。

――日本にはまだ秘境と言われる場所がいくつか存在している。知床、白神山地、屋久島…等。秘境が持つ神秘さに心惹かれる人々は後を絶たないが、そのような場所は開拓されていないことがほとんどだ。そんな道なき原始の山々を、高度な読図技術と踏破力で征するのが、藪(ヤブ)組の扱う「藪山」登山である。一般登山者にとって藪山登山といえば少し変わった(?)人達という印象を持たれることが多い。わざわざ自分から未開の山々に突っ込み、藪を漕ぎ分け格闘しながら進むのであるから、その考えにも一理はあるだろう。

チームで踏む三角点 それでも、多くの苦労を乗り越えた先に、人の手入らぬ山々の神々しさを感じられるのが藪山の醍醐味である。藪山に人は滅多に入らないので、登山客のゴミなどはほとんど落ちていない。たまに人の営みが感じられたとしても、過去に建てられた三角点がせいぜいである。下界の煩わしさからこれ以上なく解放された場所で、神々の頂を全身で感じ、登山の原点を学ぶことができるのだ。いくつかの藪山を踏破した上級生になる頃には、夏に行けぬ山はないと言えるだけの自信がついているだろう。

より挑戦的な登山がしたい人。自分が行きたい場所に行ってみたい人。誰かが作った道を進むのはイヤ、前人未踏の道を開拓したいと思う人。KWV でしかできない登山をやってみたい人。藪山登山を体験すべきである。藪山でしか感じ得ない達成感・興奮、静謐な山々。是非全てを感じてほしい。誇れる経験が君を待っている。

水際を進み滝を越え川の源流部を目指す、それが沢登りです。多摩川や荒川といった、普段我々が何気なく目にする川であっても、源流部には木と岩と水が織りなす自然の美しさがあります。そこでは、一般的にイメージされる山登りとはまた違った楽しみを味わうことができます。

沢登りは「大人の水遊び」と呼ばれるほど自由なアクティビティです。沢に登山道は存在しません。水際を歩いたり、岩壁にへばりつきながら進んだり、ときには泳いだりと、その選択肢は無数に存在します。つまり自分たちで道を選び取るのが、沢登りの大きな特徴なのです。滝登りといったスリルのある体験をできるのも魅力の一つです。大自然でできたアスレチックを攻略する、そんなイメージだと思ってください。そのためKWVでは、ボルダリングジムで岩登りの練習を行うこともあります。

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さらに沢登りの醍醐味で忘れてはならないのが、谷で過ごす夜です。周りに人がいない静かな河原で、焚火を囲みながら語り合うという体験も沢登りだからこそできることです。
沢登りでは縦走も藪も同時に行うことが多いです。つまり沢登りができるということは山の中のほとんどのフィールドに行くことができるということです。最初は未知の世界かもしれませんが、KWV の先輩がしっかりと導いてくれます。そして数年後にはあなたも縦横無尽に山を駆け巡る立派な沢屋になっていることでしょう。皆さんの参加を心よりお待ちしております。

雪山縦走

雪山は夏の山に比べ比較的レベルが高いジャンルです。 まず気象環境が違います。 肌を刺す冷たい風。容赦なく吹き付ける雪。白に包まれ一寸先が見えなくなるホワイトアウト。十分な装備なしでは、 そこにいるだけで体力を奪われてしまうほどの厳しい環境です。また、 夏山では簡単に進める道も、 冬になると大変な苦労が必要になります。積もった雪を掻き分けながら進むことを‘‘ ラッセル"と言いますが、 ラッセルは体力をかなり消費し、 経験者でも足を攣 ってしまうことがよくあります。

それでも僕らが雪山登山をやめないのは、 その苦労に見合うものを雪山が与えてくれるからです。例えば、 一面の綺麗な雪の白さ。 登る途中に振り返って見る自分たちが作った足跡。 汗にまみれて必死に登った先にある美しい景色と、 達成感。その感動と充足感は、 あなたが雪山に登る理由を十分なほど与えてくれます。

たしかに、 雪山は危険です。ですが我々慶應大学ワンダーフォーゲル部の雪山部門は、 安全性が確保できていない状況での登山は行いません。外部の山岳講習会にも参加し訓練を行い、 雪山を楽しく安全に登ることをモットーに活動しています。雪山登山は決して簡単なことではありません。 しかし時間に余裕があり指導してくれる頼もしい先輩がいるこのKWV で始めてみるべきだと思います。 きっとそこには今まで体験できなかった類の感動があるはずです。新入生のみなさんの参加をお待ちしております!

山スキー

山スキーは専用のビンディングを用いてスキーを履いたまま雪山に登り、滑走するジャンルです。イメージとしては、オリンピック種目のクロスカントリースキーのように登り、ゲレンデと同じように滑走するといえばわかりやすいかもしれません。スキーを使うことで高い機動性を得ることができるので、基本的には山中泊はしません。山スキーの魅力は、雪山でしか見られない荘厳な景色と、スキー場では到底味わえないまっさらな斜面をのびのびと滑ることが出来ることです。日本の雪質は”Japow”と言われるほど世界的に有名で、その上質なパウダーを求めて世界中からスキーヤーがやってくるほどです。

しかし、山スキーには正しい知識と高価な道具が必要であり、社会人になってから始めることはなかなか難しいです。KWV ではプランに備えて準備会での勉強や、上級生によるゲレンデでの技術指導も手厚く行うので、スキーの腕前に少し不安がある人でも安心して、気兼ねなく参加できます。また、山スキーのために必要な道具のほとんどは、部が所有するものを貸出するのでお金の心配はいりません。

真っ青な空の下、真っ白な雪のキャンパスに自分だけのシュプールを描いて滑走する。この楽しさは格別です。興味を持ったみなさん、是非一緒に山スキーをしましょう!