〈登山ってなんだと思います?〉
「山に登ることでしょ?」
と考えたことだと思います。では、
〈山に登るのに何が必要だと思います?〉
「靴とか服とか食料とか水とか‥‥他は‥‥体力?」
近からずとも遠からずって感じですね。
私は「根性」という解答だけ提示させていただきたいと思います。
極論水なしスニーカー裸一貫登山でも登頂できると思います。結局気合いとか根性とかの勝負になってくることは登ればわかります。
では、少し話は変わりますが、
〈学生団体の登山の意義はなんだと思います?〉
「若い血の叫び。果敢な挑戦!」
とかまあ色々考えてくださったと思います。
私はこの問いに対して
唯一無二の《経験》
と答えさせてもらおうと思います。
ではここでようやく、
〈ヤブってなに?〉
に答えさせていただこうと思います。
藪とは、KWVの求める登山形態の完成です。
一般的に楽しまれている登山とは、整備された登山道や林道、標識に沿って自然を楽しむ営為となっております。
しかし、この藪に関しては「無整備・無標識」でかつ人が踏み入れない山に足を踏み入れるという形態の登山となっております。したがって、笹や松といったブッシュ(藪)の中に平気で突っ込み、草まみれ汗まみれになりながら人間の生活の匂いのしない秘境・秘峰を目指します。
ただし、世に言うバリエーションルートのため、リスクの話、そしてモチベーションの話と切っても切り離せなくなります。
時には現在地を見失ったり、時には飲み水がなくなったり、そして時には熊と遭遇したり。
そして、長く藪の中にいると、山に登る意義を見失ったり、どうでもよくなったり、お母さんの夜ご飯が恋しくなったり。
とにかくきついことは挙げきれないほどあります。
だから部員は高いレベルの登山技術に磨き上げる必要があります。
でも、最後の景色は絶対に輝いて見えます。
大学生の若い時間を最大に活用する血わき肉踊る《経験》は藪を置いて他にありません。
今しかできないことを、藪で一緒に。
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